総門
表参道方面から一方通行を登ってくると、左手に成田山新勝寺の総門がどどんと現れます。
早速入ってみたくなるところですが、右手にある信徒会館手前のトイレで準備を整えるのがおすすめ。
敷地内には大きな観光用マップもあるので、事前に学習するのにぴったり。詳しい地図は大本堂の案内所で手に入りますが、まず予習しておいても損はないでしょう。
総門向かい側の信徒会館の広いスペースは記念撮影にうってつけで、総門全体をワイドに収められる箇所はここだけなので忘れずに撮っておきましょう。
成田山新勝寺の敷地内にはきれいなトイレがたくさんあるので焦る必要はありませんが、この広場のトイレもかなり綺麗に保たれています。
広場には大きな地図が貼られており、簡単なガイドも載っています。本堂まで行けば紙のマップが手に入りますが、ここで全体を把握しておくのもおすすめです。
光輪閣
総門をくぐったらまずは左に行ってみましょう。体育館のような大きな建物が光輪閣の横には受付所が設けられ、おみくじやお守りが購入可能で、古い御札を納めることもできます。
仁王門
総門からまっすぐ進んで行くと階段が現れ、その上には立派な門と大きな提灯が出現します。
成田山を守ってきたとされる密迹金剛・那羅延金剛と、裏仏の広目天・多聞天の頼もしい風貌が鉄の檻越しに現れます。
屋根は入母屋造銅板葺といったものを使用し、千鳥破風・軒唐破風が付いています。三手先の詰組・二軒の扇垂木というのが八脚門としてはとても珍しく、江戸時代末期の技術を駆使した建物のひとつです。
頭貫上の各柱間に後藤亀之助が作った「竹林の七賢人」や司馬音公瓶割りという彫刻も見どころのひとつです。
入口付近に何回修復してもすぐにまた壊れてしまうという堂「こわれ不動堂」というのも面白い史跡です。
総門をくぐって階段を登ったところ。大きな提灯の左側には多聞天が、向かい側には広目天が安置されています。密迹金剛。諸堂伽藍、那羅延金剛などもこの門を守っています。
仁王門に入る前に脇の階段を登っていくと「こわれ不動堂」という小さな堂にたどり着きます。なぜかすぐに壊れることからこの名前がつけられたそうです。
大本堂
メインともいえる建物の敷地内には、三重塔・聖徳太子堂・東翼殿・西翼殿・一切経堂・鐘楼・案内所・御守受所・納札堂、そしてイベントや歴史の案内も張られている休憩所も設けられています。
成田山新勝寺の境内では多くの場所で御守や御朱印を売っていますが、やはりこの近辺の御護摩受付所がいちばん賑わっています。ちなみにここで手に入る御朱印は「不動明王」で、御朱印帳は他の御護摩受付所でも販売しています。
かわいい建物は観光案内所で、新勝寺のマップが手に入るほか、施設や歴史などに詳しいスタッフさんが案内をしてくれます。
笑顔で対応してもらえるので気軽に声を掛けてみましょう。ちなみに院内の無料ガイドの受付もこちらです。
中にも入ることは可能ですが撮影は禁止なので、ワンちゃんなどのペットも入口前で足止めになります。
堂内には四大明王平成大曼荼羅が奉安されており、御護摩祈祷や宝前結婚式、七五三祝祷などの式はここで行われています。
近くで見ると迫力満点ですが、両脇には西翼殿と東翼殿も備わっており、遠くから見てもかなりの壮大さを感じます。
見事に対照的に作られている東翼殿は、西翼殿をリフレクトツールで描いたような正確さです。
重要文化財のひとつでもあり単独で立派な観光スポットとなりそうな聖徳太子堂も、このエリアに建っており、1992年に建立された新しいもので、綺羅びやかな雰囲気です。
聖徳太子というとお札を思い浮かべますが、日本仏教興隆の祖であることもお忘れなきよう。
一切経堂も成田市指定文化財のひとつとされており、最初に建立されたのは1722年で、中央の転輪経蔵には一切経が約2,000冊が収められています。
堂内には、中国南北朝時代に輪蔵を創案された傅大士と普建・普成が祀られています。
三重塔
このエリアはかなりの数の建造物が存在しているので目移りしてしまいますが、そのなかでも一際目を引く三重塔は、1712年に建立、1757年と1801年、さらには1858年に大修理がされ、1983年に現在の姿となりました。
金剛界大日如来の五智如来が安置されており、塔の高さは25メートル、十六羅漢の彫刻をはじめとした装飾、雲文を浮き彫りにして極彩色を施すなどの工夫がされており、多くの建物のなかでもひときわ華麗さが際立っています。
大本堂は横に大きいのが特徴ですが、こちらは縦に大きく、下から見た際に目立つ豪華な装飾はSNS向きといえそうです。
釈迦堂
現在の大本堂が完成する前はこちらが本堂とされていたという由緒ある建物で、現在では主に厄除けの場として活躍していますが、本尊に釈迦如来が保存されており、壁の彫刻は五百羅漢像、扉には中国の二十四孝12面という豪華なつくりには目を惹かれます。
左奥の控えめな場所に位置しているので今では脇役のような存在ですが、豪華な彫刻などが見られるのはかつて本堂として君臨していた名残でしょうか。
額堂
信徒が成田山に奉納したものを収めておくのが主な役割で、七代目市川團十郎丈が寄進したものから江戸時代に書かれた絵馬や彫刻など、数多くの歴史的な奉納物を見ることができます。
光明堂と奥の院
光明堂は釈迦堂と同じく昔は本堂だった由緒ある堂で、建てられたのも1701年という歴史が長いお堂でもあります。釈迦堂の後方に移されたのち、現在の大本堂完成と同時に今の場所に移動しました。
観光として興味を引きそうなのは光明堂裏の「奥之院」で、秘境に続くような低くて小さな扉は、冒険好きなら中に入りたくなる神秘的な雰囲気を出しています。
奥行きも11メートルというなかなかの規模で、中には不動明王の本地仏「大日如来」が置かれています。
祇園会の7月7〜9日に限り開扉されるので、興味が湧いたらその日を狙って訪れてみましょう。ただし何らかの理由で中止になることも考えられるので、事前にお問い合わせください。
真言密教の教主「大日如来」が安置されている本尊は、入母屋造桟瓦葺の屋根と繁垂木の幹で造られています。
この神秘的な扉が奥之院で、左右の碑も考古学上貴重なもので、中は洞窟になっており奥行きは11メートルほどで、扉は閉まっているものの中を覗くことは可能です。
正面には不動明王の本地仏である大日如来が安置されており、祇園会の日に限り扉が開くので、その際に見学することが可能となります。
醫王殿
「いおうでん」と読みます。成田山新勝寺の歴史とは対象的に新しい建物で、2017年に造られました。大醫王如来は、病を癒したり苦痛を取り除いたり寿命を延ばす神様として信仰されています。
御本尊は「薬師瑠璃光如来(大醫王如来)」で、健康促進の神様として信仰されており、脇侍の日光菩薩と月光菩薩は心の闇を取り除き、穏やかな慈悲の心で煩悩を鎮めるとされています。
このほか、十二の方位を守り干支の守護神として信仰されるている十二神将なども見られます。
平和の大塔
58メートルもの大きさの5階建ての塔で、1階部分に限り観光客の入場が可能です。
1階には阿閦如来の化身である降三世明王(ごうざんぜみょうおう)・金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)などの大迫力の像を間近で見ることができます。
大塔の脇道から入れるのですが、見上げた平和の大塔は最高の景観なので是非そのアングルをご覧になってください。噴水が出ている時間がおすすめです。桜・紅葉の季節は更にフォトジェニックです。
大本堂から向かう際には高低差がきついので階段を登ることになりますが、エレベーターが設置されているのでベビーカーや足の不自由な方はそちらをご利用ください。階段の左側、トイレの横がエレベーターの入口です。
観光客に人気の平和の大塔は、近くまで行くと全体の写真が撮れないほどの大きさです。気軽に中に入れるのが魅力で、大本堂と違って厳重な雰囲気は感じられません。
さまざまな如来の化身像が飾られており、金剛が好きな方にはたまらない場所といえそうです。わからない方でもそれぞれに案内書きが用意されているので読みながら周るとある程度は理解できます。
怒りが特徴的な四面の顔を持ち腕を八本持っている降三世明王、悪心や汚れた心を取り除く力を持っていて顔が三面で腕が六本の金剛夜叉明王など、一見同じ用に見える如来の化身もそれぞれ特徴を持っています。
それぞれの阿弥陀如来の下には丁寧に書かれた説明書きが用意されているので、じっくりと読みながら見てみると面白くておすすめです。
大塔を出るとすぐに公園の入口になります。入口はいくつか設けられていますが、ここを降りると成田山新勝寺随一の撮影スポットなので、カメラが好きな方はこちらのコースがおすすめです。
さきほどの入口から降りた場所はこんな景色になります。さまざまなアングルから建物を撮影してみましょう。
出世稲荷神社
敷地内から少し外れた場所に位置する神社です。大本堂のエリアから階段で行けますが段数が多いのぼりとなるので、歩き疲れた足で行くのは結構大変。
したがって、出世稲荷への参拝・観光が目的の場合は、最初に訪れてから階段を降りて本堂に行くのがおすすめのルートとなります。
出世稲荷からこの階段をおりていけば新勝寺の大本堂なので、仁王門をパスしていきなり中央地点に入ることになります。
交通安全祈祷殿
こちらは出世稲荷よりもさらに離れた場所となっているので、訪れる場合はいちど敷地から出ることになります。
総門に面している道路(新参道)を南に歩くと10分ほどで右手に大きな敷地の交通安全祈祷殿が現れます。