地獄のぞき展望台
ゾッとする光景の写真で有名なこのスポットは、名前のインパクトも抜群のインスタ映え名所で、なかでも頂上付近の絶壁の階段はスリル満点です。
いちばん高い地点に位置しているので、アクセス便利な鋸山でもここまで行くにはそれなりの体力を要しますが、少しでも近くまで車で行きたい方は、西口管理所の駐車場まで車で行くルートがおすすめです。
大仏広場
山頂エリアから下っていくと広いスペースに辿り着き、そこでは見どころのひとつ「薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)」の堂々とした姿を見ることができます。
もともとは1783年に大野甚五郎英令と門徒たちが3年の年月を費やして岩山を彫刻したもので、1966年に修復されたものが現在の姿となっています。
羅漢道から山を下りていくと管理所に差し掛かり、そこから比較的広く平坦な道のりが続き、しばらくすると売店と屋根付きの休憩所が見え、その奥には緑に囲まれた如来像がドーンと座っています。
入口でもらえるパンフレットには、奈良東大寺、鎌倉光徳院との比較などが書かれているので、最初に一読しておくと楽しみも倍増します。
千五百羅漢道
山頂エリアとのあいだにある道で、聖徳太子像・百躰観音・西国観音・弘法大師護麿窟などが山道の途中に祀られています。
地獄のぞきから表参道に降りる際のルートにもなっていますが、一気に降りるコース(近道)を選択すると、この羅漢堂は通ることができません。
近道はかなり急な階段がつづきますが、こちらの千五百羅漢道を通るコースはそれほど急な勾配ではないので、観音様や奥の院などを見学しながら降りることができます。
百尺観音
ロープウェーを利用した場合の入口となる「西口管理所」から人気展望台までのルートの途中には、ちょっとした分かれ道があり、右に行くとそのまま山頂へ向かいますが、左のコースを選ぶと「百尺観音」に行くことができます。
くぼみの中に佇んでいるので見つけにくいですが、百尺イコール約30.3メートルという巨大な姿が突然現れる迫力は、一見の価値ありです。
観音の先にはまた道が続いていますがそこは「裏登山道」となっており、浜金谷駅付近まで降りることができるルートとなっています。
薬師本殿・大黒堂
大仏広場の売店の向かい側に見える階段を降りていくと大黒堂・薬師本殿、さらには茶吉尼天を祀る乾坤稲荷(けんこんいなり)へと続いており、その向かい側には東口管理所と駐車場があります。
大黒堂は、江戸時代から伝わる本尊を2005年に再建されたもので、弘法大師が修行中に彫刻されたという石仏(大黒尊天)が祀られており、開運厄除け・商売繁盛・家内安全にご利益があるとされています。
隣に建っている立派な薬師本殿は、源頼朝による医王殿の扁額が掲げられていたという歴史的建造物でしたが、1939年に火災で焼失したものを2007年に再建されたものです。
漱石・子規の探勝碑
近代日本文学の文豪「夏目漱石」と、その親友でもあり近代俳句の祖でもあり巨匠ともいえる「正岡子規」を記念して作られた碑で、ふたりのイラストと鋸山との関係を文字にした彫刻です。
正岡子規が生涯をかけて作り上げた「七草集」はこの地を舞台とされて書き上げられており、その内容に感銘を受けた夏目漱石は、すぐさま自ら房総を周遊して「木屑録」という書を執筆しました。
その見事さは子規も絶賛するものであったと同時に、このやりとりでお互いの友情・尊敬・信頼がさらに深まったという、有名な逸話の文章が彫られています。
十州一覧台
ロープウェーを利用して到着する山頂駅から西口管理所をくぐると間もなく左側に登りの階段が現れますが、この道が十州一覧台へと続いており、その頂上は近隣の港・海はもちろん、天気の良い日は遠くの富士山も望むことができる展望台となっています。
展望台はちょっとした広場になっており、世界救世教の記念碑と神社、ベンチなどが設けられており、地獄のぞきと比較すると人もかなり少ないので、プライベート展望台として楽しめるおすすめの穴場です。
「十州」には千葉県内の安房・下総・上総も含まれていますが、あとは茨城・群馬・栃木・東京・埼玉・神奈川・静岡を跨った地名が絡んでおり、ここからの景観が相当遠くまで見えることが名前だけでも想像できます。
ただ、この展望台へたどり着くにはかなりの段数の階段を登る必要があるので、最初に体力を消耗しまっては…という方は、帰り際に寄るか、もしくは次回の来訪時に持ち越しをするのが無難といえそうです。
頼朝蘇鉄
薬師本殿を通り、その道をさらに進んでいくと「通天窟」という場所に向かいますが、その手前に大きな植物と記念碑などが現れ、そこに「頼朝蘇鉄」があります。
この地は源頼朝との馴染みも深く数々の伝説が存在していますが、この蘇鉄は、頼朝が房総に避難している折に日本寺に寄った際植えられたという言い伝えが残っている由緒ある植物です。
また、この他にも、鋸南町と富津市の境あたりにある「明鐘岬」に「かがみ岩」「兜島」「鞍掛石」といった源頼朝にちなんだ伝説の岩と場所があるので、興味がある方は調べてみましょう。