電車でも車でも気軽に山頂まで登ることができる「のこぎりやま」。ロープウェーから絶景を眺めつつ一気に頂上まで行くことができます。もちろんじっくりと登山をしながら山頂を目指すことも可能です。
鋸山の観光エリアはほとんどが日本寺の敷地内。拝観料は必要ですが、整備が行き届いた場所を歩くので、自然の登山のような危険性はほとんどありません。
鋸山は日本80名山・日本百低山のひとつとして選定されており、1300年前に開山された「鋸山日本寺」の敷地がほとんどを占め、地獄のぞき・大仏・羅漢・表参道などはすべて日本寺の管理下にあります。標高は330メートルですが、頂上近辺の景色は迫力満点。
いちばんの人気は断崖絶壁になっている展望台「地獄のぞき」。横から見ると斜めになっている展望台は高い場所が平気な方でも二の足を踏んでしまいそう。頂上に行く絶壁の階段もかなりのスリルです。
日本寺にはレストラン・食堂がないので、軽食を持参するか、JR浜金谷駅・保田駅周辺もしくはロープウェーの駅で腹ごしらえをしておくといいでしょう。
有料道路などさまざまな場所でちょっとした料金を支払うので、1万円札を崩して小銭を多く用意しておくと便利です。
鋸山ロープウェー
山麓から鋸山をショートカットして一気に頂上まで行けるロープウェーです。
JR「浜金谷」駅から徒歩10分程度の距離にあるので、このロープウェーを利用すれば鋸山の山頂まで行くのに体力を使わずに済みます。
山麓駅の売店ではオリジナルのお土産が手に入ります。冷たい飲み物やおやつなども販売しているので便利です。カフェもあるので出発まで時間があればコーヒーでも飲みながらゆったり待つことも可能です。
山頂駅には食堂もあります。景色を眺めながらの食事ができるのでおすすめです。最終便の2時間前がラストオーダーなのでご注意ください。
食堂のメニューでおすすめは、塩ミルクのジェラートと地獄アイス。どちらもソフトクリームタイプなので、夏の暑い日はこどもにも大人にも大人気です。
鋸山山麓駅
せっかく普段はお目にかかれないロープウェーを利用するのだから、駅でもがっつり楽しんじゃいましょう。
山麓駅では地元産のビワなどの名産が販売されているので、お土産におすすめ。鋸山オリジナルのパッケージに入ったクッキーも人気です。
その他にも、房総えびせんべいや落花生のおせんべいなど、千葉県産のお土産がたくさんあります。
暑い夏は、しっかり冷えたびわゼリーなどのドリンクがおすすめ。エネルギー補給ができるありがたい拠点となります。
鋸山山頂駅
山頂駅のイチ推しはなんといっても絶景と食事を同時に味わえる食堂です。豪快な海岸の景色を観ながら食べる食事は最高!!定食・カレーライス・ラーメン・そばうどんなど定番のメニューはひととおり揃っています。
夏に訪れるなら絶対に外したくないのがソフトクリーム風「ジェラート」。塩ミルクと真っ黒な「地獄アイス」が人気。どっちも食べた〜いとなったときには、2つ注文して分け合っちゃいましょう。
JR浜金谷駅
電車からロープウェーを利用するプランの場合は、まずこの浜金谷駅で下車してから山麓駅に向かうことになります。
逆方向になりますが、金谷港の近くにはコンビニエンスストア・ファミリーレストラン、さらには海鮮食堂などお店が豊富なので、時間があれば寄ってから鋸山に向かうと鋸山観光をさらに楽しむことができます。
駅からまっすぐ山麓駅を目指しても食事処はあるので、少しでも時間を有効に使いつつ食事をしたい方は、まっすぐロープウェーを目指して途中で食事をするのがいいでしょう。
帰り際に寄ってゆっくり食事をする場合は、保田駅で下車して表参道側から鋸山に入り、ロープウェーを降りて浜金谷駅から帰るルートがおすすめです。
JR保田駅
浜金谷駅からひと駅南にあります。表参道から鋸山に入る場合はこちらの駅から向かうことになります。
駅の付近にはいくつか食堂があるので、腹ごしらえをすることも可能。また、鋸山に向かう途中にコンビニエンスストアもあるので、食料を調達していくこともできます。
すぐ近くに海水浴場もあるので、鋸山の帰りに海を歩くという洒落た観光をしてみてはいかがでしょうか。
その場合は、ロープウェ−から鋸山に入り、地獄のぞき→羅漢エリア→大仏エリア→中腹エリア→表参道の順に行くと自然と保田駅が近くなるので、そのルートを選ぶのがいいでしょう。
電車なら浜金谷駅、車・フェリーなら金谷港を拠点に
電車の場合はJR内房線「浜金谷駅」を目指しましょう。駅から鋸山ロープウェー乗り場までは徒歩6分ほど。「保田駅」も利用可能ですが、このルートでは浜金谷駅をスタート地点とします。
フェリー・車の場合は「金谷港」から浜金谷駅を通過してロープウェー山麓駅を目指します。
おすすめルートでは最終的に保田駅から浜金谷駅まで電車で移動するので、車でお越しの場合でも金谷港を拠点とするのがおすすめです。
鋸山山麓駅から山頂駅へ
ロープウェーの山麓駅から鋸山観光スタート!ウキウキする瞬間です♪運転間隔は15分ほど。朝は9時から開始なので、張り切って早く到着してしまわないようにご注意★
片道切符と往復切符があり、往復のほうが若干お得ですが、おすすめ観光ルートで行くなら登りだけの片道切符(500円)となります。
ドリンク・軽食の販売もしていますが、山頂駅にもあるので焦って購入する必要はありません。
注意点
トイレは浜金谷駅(フェリーの場合は金谷港)またはロープウェーの山麓駅で済ましておきましょう。山頂駅のトイレは使用できないことがあります。また、鋸山には大きなお手洗いが1箇所しかありません(大仏広場付近)。
ロープウェー山頂駅
山頂駅に到着したら、そのまま階段で2階のショップを見物し、3階の展望台で楽しみましょう。海が見える絶好の撮影スポットになっています。小腹が減っていたらここで地獄アイスを食べるのもアリかも。
到着したらすぐに地獄のぞきに行きたくなるかもですが、(おすすめコースでは)ここには戻ってこないので、2階と3階どちらも周って山頂駅を満喫しましょう。
西口管理所
山頂駅から順路に従って歩くと、日本寺(鋸山の管理者)の西口管理所に到着します。
料金を支払うと同時に鋸山全体図がわかるパンフレットがもらえます。
注意点
入口の手前に小さなお手洗いがあるので、不安な方は用を足しておくといいでしょう。ここから大仏広場までトイレらしいトイレはありません。
百尺観音に寄り道
西口管理所から地獄のぞきまではそこそこの距離。途中に分かれ道があり、左に行くと「百尺観音」と下山道、右に行くとそのまま地獄のぞきになります。
道は平坦で距離も短いので、地獄のぞきに行く前に百尺観音に寄り道をしていくのがおすすめ。
名前からも分かるようにかなりの大きさですが、見逃してしまいそうなくぼみの中からいきなりドーンと出てくるので、ちょっとびっくりするかも。
注意点
西口管理所から鋸山日本寺に入ってすぐ「十州一覧台」への分岐があります。十州一覧台はその名のとおり遠くまで見渡せる展望台ですが、長い階段で体力を消費してしまいます。体力を温存したい方はパスするのがおすすめです。
地獄のぞき(山頂展望台)
百尺観音との分岐を右側に行くと上りの階段がつづき、しばらく歩くと見晴らしの良い休憩所に出てきます。実はここがよく見る写真の撮影スポット。言うなれば「地獄のぞきの撮影スポット」といったところ。
このエリアは2階建てになっているので、少しでも高い位置から撮影して、インスタ映えする地獄のぞきの絶景写真を手に入れましょう。
そこからメインの撮影スポット(絶壁)までは数十メートルの距離なので、カメラマンと被写体で会話することも可能です。
注意点
絶壁の撮影スポットは足場の悪い箇所を登った所にあります。とくに雨の後は滑りやすいので注意が必要です。また、滑りやすい靴ではケガをする可能性があるので、スニーカーなどのグリップの強い靴を履いていきましょう。
千五百羅漢道
地獄のぞき(山頂展望台広場)の脇にある下山道から、千五百羅漢道・大仏広場へと行くことができます。
途中で分かれ道があり、片方は大仏広場へ一気に行ける近道、もうひとつの道は、千五百羅漢道を通って大仏口管理所に向かう道です。
大仏広場への近道はかなり急な階段がつづきます。また、さまざまな観音様も観ることができないのでおすすめできません。
こちらの千五百羅漢道コースにはそれほど急な勾配がないので、観音様や奥の院などを見学しながらのんびりと下山することができます。
大仏広場
羅漢道から山を下りていくと、大仏口管理所に差し掛かります。そこからは「大仏前参道」になり、比較的広くて平坦な道のりが続きます。
しばらくすると売店が見え、右手には屋根付きの休憩所があります。メインの大仏はその奥にあります。緑に囲まれた快適な環境の中にドーンと座っています。
入口でもらえるパンフレットに大仏についていろいろ書かれています。あらかじめ読んでおくと楽しさが増すのでおすすめです。そこには、奈良東大寺、鎌倉光徳院の大仏の大きさとの比較、そして日本一大きな大仏だということが書かれています。
日本一の大きさでありながら知名度で劣る千葉・鋸山の大仏。インスタなどSNSを使ってみんなで全国に広めていきましょう~!
頼朝蘇鉄・観音堂から仁王門の出口へ
大仏広場の位置は鋸山の下腹部なので、出口はすぐそこです。東口の駐車場に車を置いている方はここで終了になりますが、当おすすめルートはここからが楽しいハイキングコース。今まで温存していた体力はここからが使いどころです!笑
このあたりになると人もかなり少なくなっていて静か。自然の声を聞きながらのんびりと散策しましょう。
大仏広場の横のトイレ沿いを降りていき、薬師本殿を見ながら道沿いに歩いていくと、石碑のようなものが現れます。夏目漱石と正岡子規は鋸山を愛し俳句や詩などでも多く登場しているので、その記念に作られたものです。
その他にも、源頼朝が植えたと言われている蘇鉄など見どころが多い表参道付近。仁王門が見えたら鋸山日本寺の出口です。
道の駅まで快適ハイキング!
仁王門から鋸山日本寺を出ると、「表参道」になり、そこから遊歩道を経由して「保田駅」を目指すのが一般的。ですが、このおすすめルートでは、「道の駅・保田小学校」を目指します。
道の駅ですが保田駅から近いので徒歩でも訪れるのが可能。工夫を凝らした楽しい道の駅なので、ぜひこちらをご参考として訪れてみてください!道中の景色も最高です。
さて、表参道というとお店やお土産屋さんでもあるように思いがちですが、鋸山の表参道には道しかありません。ただ、川沿いを歩くので歩道としてはかなり快適。ここから自然ハイキングがスタートします。
保田小学校への道のりはとても簡単。なぜかというと、表参道からかわいい「標識」があるので、それに従って歩くだけ。それでも迷いそうだったらグーグルマップを併用しましょう。方向音痴の私(みどり)でも、迷うことなく到着しました!笑。
工夫を凝らした道の駅「保田小学校」
さて、表参道から鋸山を下山した場合、そのまま保田駅に向かうのがセオリーですが、それはとんでもなくもったいない話!!絶好の観光スポットを見逃して帰路についてしまいます。
その名所は「道の駅・保田小学校」。案内標識を見て「道の駅があるけど、小学校のフリーマーケットか何かかな?」と思ったのは私だけではないはず。笑。撮影担当に「せっかくだから行ってみよう」と促され、ダメもとで訪ねてみると、そこには嬉しい驚きが!
この道の駅は、廃校となった小学校をモチーフに作られた、ノスタルジックながら活気あふれる面白い施設。
カフェ・レストラン・お土産屋さんのクオリティも高く、なんと歩き疲れた足と体を癒してくれるお風呂もある(木曜定休)、最高の休憩スポットです!
今まで数々の道の駅に訪れましたが、これほど楽しいのはかなり稀!張り切って皆様におすすめすることができる、楽しくて美味しい名所です。
保田駅周辺
道の駅保田小学校でお腹を満たして休憩も十分。お次は保田駅に向かいます。道の駅からJRの保田駅までは徒歩約10分ですが、駅近くの商店街(のような通り)にはお蕎麦屋さんなどちょっとしたお店があり、観光気分を盛り上げてくれます。
とはいっても、コンビニやスーパーはないので、必要なアイテムは道の駅で揃えておきましょう~。
ここから電車で「浜金谷」駅に向かうのですが、お昼ごろの電車の本数は1時間に1本程度。スマホで時刻表をしっかりとチェックしておき、できるだけ待ち時間が少ないように訪れましょう。「電車を待つ時間が好きなんだよね~」って方は別として。
補足
駅の入口に電車を待つスペースと自動販売機があります。
金谷港とザ・フィッシュ
当おすすめルートの最後を飾るに相応しい、超おすすめの施設です!「ただの港でしょ~」って思っていた方はきっと驚くはず!神奈川~千葉を横断するだけの港とは思えない、観光色溢れる景色は必見です!
みどりいち推しの理由は「ザ・フィッシュ」!金谷港にあるこの施設は言うなれば「規模の大きな船の駅」といったところ。購買意欲が少ない方でもきっと「こんな名産があるのか~、買って帰ろうかな」となること間違いありません。笑。
その理由は、千葉以外からお越しの方はもちろん県民の方でもうずうずしてくる活気あふれるお店構え。活きのある魚やビワなどの名産を使ったおいしそうな商品がずらりとならんでいます。スイーツも人気です。
店内には海が見えるレストランやカフェ、さらには無料でくつろげるスペースもあるので、食事はもちろん別腹を満たすのにも絶好です。鋸山観光のラストを楽しく締めくくりましょう!