養老渓谷紅葉リポート

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紅く染まった観音橋
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更新情報・お知らせ

2022/5/15
リニューアルしました!

養老渓谷といえば紅葉の名所!ですが、晩秋以外でも滝・ツツジ・渓谷など景観がオールシーズン楽しめる観光スポット。

千葉で唯一の温泉郷も魅力で、ひとり千円ほどで日帰り入浴もできちゃいます。もっと手軽な足湯、というのも楽しめます。

渓谷の観光が中心なので、歩きやすい靴は必須。体力を使うので前日に飲みすぎて寝不足…なんてことがないように準備しておきましょう。

渓谷・観光名所

樹木に囲まれた渓谷

粟又の滝

観光スポットが目白押しの養老渓谷のなかでも一番人気と言える名所。

周辺には散策するための木や石が敷かれ、紅葉の季節にはライトアップをした幻想的な姿も観ることができます。

すぐ近くから眺めることもできますが、離れた展望台から見る景観も絶景。さまざまな角度から紅葉・新緑などの写真を撮ってみましょう。

すぐ近くには無料の駐車スペースは設けられていませんが、名所へ続くスタート地点などに無料のスペースが見られ、粟又の滝までつながっているので、そちらが目当ての場合はそちらがおすすめです。

渓谷に降りたところ
カフェ「山猫」横の自動販売機が入口の看板になっていておしゃれでした。
案内標識がわりの自動販売機
降りると早速カラフルな紅葉と渓流のコラボが。
しぶきをあげている景色
紅葉の合間に見えてきました。音を伝えられないのが残念です。
川に設置された石の橋
粟又まで続いている滝めぐり遊歩道を渓谷から見た風景です。
石でできた階段
入口はいくつか作られていますが、夜に行くならこの階段がしっかりしていて安全です。
遠くの展望台からの風景
こちらは少し離れた場所にある、滝が望める展望台。遠目から水しぶきが確認できます。紅葉を入れての撮影ならここが絶好のポイントです。
展望台から見た大自然
展望台から眺めるとこんな感じです。素敵な紅葉の写真にチャレンジしましょう。
わらび餅ののぼりがおしゃれなカフェ
こちらのお店が展望台の目印。横の駐車場は競争率の高い無料スペースです。
薄暗い時間の養老川
渓谷を横切るように作られている石に立って撮影した場合はこんな感じです。
展望台看板
無料駐車場が設けられている展望台には「養老乃滝」と表記されていました。
ライトアップされた川の景色を楽しむ観光客
11月中旬から12月上旬限定で行われるライトアップの写真。観光客のみなさんは石に立って撮影に夢中です。
わらび餅ののぼりが出ているカフェ
紅葉の季節らしい赤色バージョンです。基本は黄色ですが、時折色を変えて楽しませてくれました。
紅葉の景色と赤い橋

観音橋

粟又の滝と並んで観光ガイドなどによく掲載されている名所のひとつ。養老渓谷の雰囲気をいちばん味わえる場所と言っても差し支えないでしょう。

見た目がとても印象的ですが橋自体も坂になっていて面白いので、鑑賞だけでなく実際に渡ってみましょう。渡るとその先は出世観音で有名な立國寺に続いています。

立國寺に向かう途中にSNS映え必至な絶景アングルスポットがいくつか点在しているので、写真が目的の方は奥まで行ってみましょう。

専用の駐車場は用意されていませんが、近隣に500円位の私営駐車場が点在しています。

入口の立て看板
「ペットを連れての参詣はご遠慮ください」という立て看板が立っています。
正面からの景観
半円を描くような形になっている面白い形状です。排水口が作られていますがものの雨の日は水が溜まりそう。
観音橋方面からの一心不動尊
渡りきると「一心不動尊」が見えてきました。立國寺までのプチ登山のスタート地点です。
一心不動尊の説明書き
もっと近づいてみましょう。「大日如来がこの世の生きとし生けるものを救済するため、その使者として現れた仏教の守護神、それが不動尊です」と掲示されています。
金色に輝く像

出世観音・養老山立國寺

橋を渡って階段を登っていくと、立國寺という景観の良いお寺に辿り着きます。

立國寺に立っている出世観音には、源頼朝が再起を目指している際に訪れて祈願したという、印象深い伝説が残っています。

プチ登山コースとしても楽しめるので、祈願目的でなくても楽しいお散歩観光ができるので、健脚の方は訪れてみましょう。

観音橋から立國寺に向かう途中「ペットを連れての参詣はご遠慮ください」とう看板が立っているので(取材時)、愛犬連れの方はご注意ください。

出世観音へと続く階段
橋を渡りきると階段が出現します。神社・寺院巡りで避けて通れない「長い階段登り」の始まりです。
間に作られたトンネル
階段ばかりではなく、このトンネルのような面白い場所・景観スポットが点在しているので結構楽しめます。疲れるけど頑張って頂上を目指しましょう。
四無量心の教え
途中に立っている看板に「慈・悲・喜・捨」の「四無量心」について書かれています。どの言葉が心にささりますか?
神社手前の階段
ようやく到着しました。普段運動をしている人でも息が切れるほどの階段です。無理をしないようにゆっくりと行きましょう。
立國寺本堂
「立國寺」の本堂はこちらです。お寺の面積小規模ですが、観光客が多いせいか、とても明るい雰囲気です。
金色に輝く像のアップ
出世観音は、九死に一生を得てこの場所に逃れてきた源頼朝公が戦勝祈願をし、のちに天下を平定したことから、その御神霊を安置したと言われています。
伝説の由来書き
こちらにその由来が丁寧に文章にされています。観音様のご利益や源頼朝公の当時のようすがよくわかるので、訪れた際には一読してみましょう。
屋根付きの休憩所
お寺の中にはベンチと屋根つきの休憩施設も設けられています。せっかく登ってきたのですから、ちょっとくつろいじゃいましょう。
鳥居奥の垂直の滝

金神の滝

粟又の滝の少し奥に位置している、比較的発見が新しい名所。光の当たり方によっては滝の周りが金色に映るので、晴れた日の撮影がおすすめです。

付近の駐車場は有料ですが、メインスポットから徒歩圏内なので、近隣も観光してお得感を味わいましょう。

ジェラートが人気のカフェ「山猫」も近いので、滝の鑑賞後も何かと楽しめるほか、人気の旅館「滝見苑」からも近いので、お泊りになる方はこちらも是非お立ち寄りください。

 

筒森もみじ谷に訪れた観光客の車

筒森もみじ谷

メインのスポットからは離れますが、晩秋に養老渓谷を観光されるなら訪れておきたい名所のひとつです。

その名のとおり、谷部分にたくさんのもみじが見られ、カラフルな景観で観光客の目を癒してくれます。もみじの咲いている範囲が広いので、絶景に包まれながらのお散歩も可能です。

無料の駐車スペースの横では、不定期に営業している販売所が観光気分を盛り上げてくれています。ちょっと変わったお土産にもなるので、気軽に立ち寄ってみましょう。

筒森もみじ谷の看板と野菜直売・石やきいもの看板
繁忙期でも駐車場は無料です。すぐ横で地元の方がのんびりと野菜の直売をしながら石焼き芋を焼いていました。
太陽に当たっている葉
12月の初旬でもご覧のとおり赤い色が残っています。谷なので、太陽が当たる場所とそうでない日陰のコントラストが綺麗です。
もみじ谷沿いに作られたスペース
その名のとおり「谷」沿いの自然名所。2021年は11月の後半頃がいちばんの見頃だったようです。
谷の奥につづく道
奥の道はお散歩コースと続いています。時間があればウォーキングをしてみるのもおすすめです。ライトがないので日が落ちないうちに。
新緑の季節の弘文洞跡

弘文洞跡

多くの足湯どころ・旅館などが立ち並ぶ養老渓谷の中心部を結ぶ中瀬遊歩道から望める、歴史の長い名所です。

何も知らずに訪れると、ただの谷と思ってしまいがちですが、かつては隧道(トンネル)だったという面白い地景の名所です。

1979年に上部が崩れてしまったため隧道が谷に変形してしまい、景勝地としての人気が落ちてしまいましたが、今でもガイドブックに欠かせない名勝です。

(注意)歩道は入口が2ヶ所で、通常時はつながっているのですが、一部が壊れてしまうと片方の入口からは弘文洞跡にたどり着かない、という事態が発生します。訪れてから現地で確認しましょう。

つつじが綺麗な水月寺の周辺

水月寺

紅葉が一番人気のエリアでは異色ともいえる「ツツジ」が楽しめる景観観光スポットです。

咲き始めるのは桜と同じ3月下旬ですが、6月まで咲いてくれているので、比較的長く楽しめるのが嬉しいポイント。大多喜町のホームページでも紹介されている名所のひとつです。

場所的には、滝めぐり遊歩道のスタート地点あたり。温泉が立ち並ぶ中央エリアとの間に位置しているので、中心部から粟又方面に向かう途中に寄るのもおすすめ。

橋の上から見た懸崖境

懸崖境

ガイドマップには掲載されているものの、見つけるのが意外と難しいスポット。

崖の紅葉という面白い景色が特徴的な地景で、全体的に景観を楽しむには橋の上がおすすめポイントです。

川の方に降りることもできますが、全体を眺めるなら橋の上がおすすめです。

ライトアップもされるので(2021年は11月20日から12月5日・17時〜21時位まで)その時期に訪れた方は夜も訪れてみましょう。

橋の上からの懸崖境
橋の上からの断崖にかかる紅葉の景色です。何でもないような普通の橋なのでわかりづらいですが、GoogleMapが案内してくれます。
奥の方まで続いているので、時間があれば下に降りてもおもしろそう。
懸崖境に彩った樹木
ところどころに真っ赤に染まった光景が見事です。垂直の崖を彩った景色はなかなかの珍景。
案内標識もなく分かりづらい場所なので、発見した喜びもひとしおです。

駐車場事情

観光客が多く訪れる養老渓谷には、私営のパーキングもたくさん設けられています。

泊まりで行かれる際には当然ながら宿の敷地を利用できますが、そうでない場合は、拠点をしっかりと決めて選ぶのが重要となります。

たとえば、「梅ヶ瀬渓谷」に訪れるのであれば、それだけでも3時間以上を費やすハイキングとなるので、体力は少しでも温存したいところ。となると、駐車場は渓谷の入口近くがいいでしょう。

何も考えずに訪れると、目に入ったところに入ってしまいがち。料金は時間制でなく1日制がほとんどなので、1回支払ってすぐに出るのはあまりにももったいないですよね。

支払いが1回で済むように、観光ルートをあらかじめ考えてから選びましょう。ちなみに料金は500円前後が相場です(取材時)。

ハイキングコース

梅ヶ瀬渓谷の樹木

梅ヶ瀬渓谷

養老渓谷のなかでも独立感の強い観光エリア。梅ヶ瀬渓谷に訪れるのであれば、朝早くスタートして計画的に回らないと観光スポットを回りきるのは難しくなります。

明治維新の時代を生きた「日高誠実」の生き様を感じられる「日高邸跡」などの名所に行けるハイキングコースには「もみじ谷」などの名所も点在しており、晩秋には多くの観光客が訪れます。

コース途中の「大福山展望台」という景観スポットでは、付近に駐車場も設けられているので、体力を温存したい人はここを目的地にしてみるのもおすすめです。

川にかかる石の橋

中瀬遊歩道

渓谷の中心部に位置し、景色を存分に楽しめる主役的存在ともいえる散策道です。

入口は2ヶ所ですが、橋が壊れて行き止まりができてしまうことがしばしば。あらかじめどこまで行けるのかチェックしておくのが無難です。

特に、名勝のひとつ「弘文洞跡」に行くには、どちらかが正解でもう一方からは行き止まりでたどり着かない…ということになってしまうのでご注意ください。

渓谷に設けられた石
中瀬遊歩道をすべて楽しむには養老川に作られた風流な石を渡ることになりりますが、踏み外すと川に落ちてしまいます。
当然ながらヒールなど歩きにくい靴は絶対に履いてこないようにしましょう。また、雨の後も滑りやすいため最新の注意が必要です。
左が駅、右が弘文堂の案内標識
この案内は台風15号の被害前につくられたもので、本来であれば弘文堂へ簡単に行けるのですが、2019年9月9日に発生した台風15号の影響でしばらく通行止めが続いています。
逆側の入口からは弘文堂へのアクセスが可能ですが、ここ養老渓谷を含め、台風15号は千葉房総の観光地に大きな爪痕を残しています。
行き止まり状態
紅葉が見事な渓谷の道を歩いていくと弘文堂なのですが、残念ながら取材時はこの先には行けませんでした。
弘文堂をはじめ、アクセスは可能なものの行き止まりが多いのが現状で、元通りの姿を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。
日光で輝くもみじ
弘文堂は残念ですが、この付近ではSNS映え抜群のもみじがたくさん見られます。
スマホでも日光の力を借りるとご覧のような幻想的な写真の撮影が可能なので、片道切符でも行く価値は十分です。

二階建てトンネル

素掘り二層式トンネルで、「向山・共栄トンネル」というのが一般的な名称です。

利便性を上げるため深く掘って新しい道を完成させた後、旧道を壊さず残しているため、旧道の部分が途中から現れる、というものです。

そういう経緯で、名称が途中で変わる珍しいトンネルとして、珍観光名所として人気を博しています。

多くの人が徒歩で訪れたり撮影をしていますが、車の通行が可能なので意外と危険です。歩行者も車で通行される方も十分に注意してください。

出発地点の長い坂

滝めぐり遊歩道

水月寺付近から粟又まで延びる、渓谷沿いの散策路です。

複数設けられた入口からは無料では入れますが、橋が壊れて通れない場合には、途中で登ってまた降りるということになります。

距離的には2キロメートルという長さで、その名のとおり大小いくつかの滝を見ながら最終的に名勝粟又に到着します。

晩秋は粟又の滝がライトアップされますが、足元は真っ暗なので、日が落ちてから訪れるのは大変危険です。ライトアップ時などに訪れる方は必ず懐中電灯をご用意ください。

愛犬連れ事情

基本的に愛犬連れでも楽しむことができますが、立國寺など、ワンちゃんの立ち入りをお断りしている施設も多少存在します。

いずれにせよ、養老観光というのはかなり「歩く」のが鉄則なので、一緒にお散歩するのに絶好の環境といえます。

渓谷沿いもワンちゃん連れの方がいらっしゃいますが、もし落ちたら命の危険に繋がります。いつもより慎重にリードを、可能ならハーネスも併用して観光しましょう。

道の駅・グルメ

観光客で賑わう山の駅

山の駅喜楽里

車で訪れたらまず立ち寄りたい拠点的スポット。観光パンフレットも手に入るので絶対おすすめです。

有料が多い付近の駐車場のなかにあって、リーズナブル派にとっては有り難いオアシス。どこに行くか迷ったらここでひと休みして次の行き先を考えましょう。

山の駅の中ではお土産が手に入るほか、テラス席と店内席を選べる食堂が人気です。山菜を生かしたそばが中心のメニューで味も定評で、道の駅系としてはリーズナブルにお腹を満たせます。

屋外にはホットドッグや大きなハンバーガーを作って販売しているキッチンカーが出ています。コーヒーやソフトドリンクの種類も豊富で、こちらも若者を中心に列ができるほどの人気です。

黒湯の看板

温泉郷・宿泊施設

養老渓谷といえば「温泉」をイメージされる方も多いはず。さすがに神奈川県などの温泉名所には及びませんが、中瀬遊歩道付近の中心街には、黒湯をはじめとした名物温泉が立ち並んでいます。

2021年11月では、黒湯の温泉が7ヶ所、透明の温泉が3ヶ所、うち日帰り入浴が可能な施設が8ヶ所確認できました。

日帰り入浴の相場はひとり1,000円前後といったところです。宿の情報も合わせて詳細はこちらのページでご確認できます。

カフェ「山猫」の外観

食事どころ

千葉の観光名所としては珍しく海がないためか食堂は少なめで、中心は山菜料理や川魚といったところですが、フランス料理・和食などの本格料理が味わえるお店が点在しており、それぞれ地元の名産を使用したメニューを用意されています。

なかでも、釣った魚を料理してくれる「養老渓谷釣り堀センター」の「お食事処つりぼり」が特徴的でおすすめ。観光の楽しい思い出となりそうです。

おトイレ事情

自然の多い場所の観光に当たって意外と盲点になるのが「おトイレ」。せっかくの楽しい観光も我慢をし続けていると楽しさも半減です。

渓谷の名所付近のトイレは簡易式がほとんどで、いつもシャワー付きばかりな現代人にはちょっとキツイかも。

豪華なトイレは食堂や宿にしかないため、駆け込み寺ともいえる「山の駅・喜楽里」には“催した人”が大勢訪れ、常時混雑しています。

宿を利用される方はそこを拠点にできますが、日帰りの方は簡易的なトイレで用を足す心構えをしておきましょう。

記事:取材班長・みどり

千葉といえば海!とイメージされる方は多いかと思いますが、内陸の山と渓谷も魅力たっぷりです。

そのなかでも私が好きなのはやっぱりこの近辺。「小湊鉄道」「いすみ鉄道」でのんびり旅をしてみたいのですが、取材のために車で訪れているのが現状…

取材抜きにしてローカル鉄道&養老温泉、ハイキングをゆっくり楽しむのがプチ夢なのでした。