香取神宮

TOP > 佐原・香取観光 > 香取神宮

鳥居の間から見える総門

更新情報・お知らせ

2022/10/12
ページを公開しました。

香取神宮は「出雲の国譲りの神話」に登場する経津主大神(ふつぬしのおおかみ)という神様を祀っている歴史の長い千葉県屈指の神社で、鹿島神宮の武甕槌大神(たけみかづちのかみ)と一緒によく語られています。

その逸話は一言では語れないほど奥の深いものですが、神社の桜の景観は単純に「見事」のひと言といえるでしょう。そんな景色を中心にご紹介していきます。

佐原・香取メニュー

境内リポート

総門

表参道を通り抜けると現れる大きな鳥居の奥には、神社の顔的な存在ともいえる、綺羅びやかな朱色が鮮やかな総門が見えてきます。

鳥居の周辺には数種類の豪華で大きな桜が立っており、春には香取神宮随一の景観を誇るスポットとなります。

桜に囲まれた鳥居の奥に見える総門
感動を覚えそうな桜景色。

入口付近に立てかけられている「日本書紀編纂1300年〜日本書紀と香取大神〜」には、日本には古事記と日本書紀という2つの有名な歴史書があり、前者は大和言葉主体で国内向けに書かれているのに対し、後者は漢文で年代順に記されているため海外向けの書物である、といった事が載っています。

そして、この香取神宮の御祭神であり、出雲の国譲の大業を成し遂げ日本建国の基を築いたとされる「経津主大神」は、日本書紀に記されているのに対し、古事記では登場しない、ということも説明されています。

景観が楽しめる香取神宮ですが、このような逸話も頭に入れておくと境内を周る楽しみが一層増えるのでおすすめです。

日本書紀編纂千三百年記念の立て看板
鳥居の横に立っています。

楼門

総門をくぐりぬけると正面左側に「裂々神社」などの小さな神社が見られ、その右側に重要文化財にも指定された超豪華な朱が目を引く楼門が建っており、参拝者を出迎えてくれています。

出入り口は3箇所設けられていますが、入口は中央、出口は両脇となっているようです。

楼門の手前には水戸黄門で有名な水戸光圀公が植えたとされる「黄門桜」が立っているので、そちらを鑑賞してから中に入るのがおすすめです。

楼門の入口と大きな屋根
青い空とのコントラストで写真映えも抜群。

本殿・拝殿周辺

楼門をくぐるとメインとも言える御殿周りの広場となり、正面には拝殿とその奥に控える本殿が、右側には神楽殿・社務所・授与所・神庫などが、左側にはもうひとつの授与所・匝瑳神社などが建っています。

拝殿で手を合わせる参拝者
正面に見えるのは拝殿です。

境内の目立つ場所に見取り図の看板が立っているので、まずはこちらで全体をチェックして行きそびれがないようにしましょう。

境内見取り図
お正月は見てる暇もなさそうですが…

御朱印・お守りなどはこの本殿周辺エリアで手に入りますが、成田山新勝寺と比較すると授与所が少ないので見落とさないようにご注意ください。

燈籠の奥に見える授与所
混雑時は順路通りにご参拝ください。

向かって左側に位置している小さめの授与所でも、御守・神札などが手に入ります。

小さな授与所
上部に御守のご利益が載ってます。

このエリアには「御神木」と「三本松」という、樹齢が古く、離れないと全体が撮影できないほど大きな樹木が祀られており、香取神宮の歴史と威厳を深いものにしています。

巨大な三本松
樹木の位置は全体マップで確認できます。

奥まで行くと、安産子育の神である「木花開那姫命」という御祭神を祀っている「桜大刀自神社」が建っており、茂みの中にあってちょっとした秘境のような雰囲気になっています。

神社を説明している立て札
安産を祈願される方は是非。

門外の重要文化財

香取護国神社

神宮内にはかなり多くの小さな鳥居・神社が点在していますが、この香取護国神社は中でも規模が大きく、境内は公園のような広場となっており、周辺には桜をはじめとした新緑が生い茂っています。

場所はメインの本堂から少し離れていて、表参道途中の入口階段を登っていくと鳥居が現れるので、それをくぐると到着します。

桜が見事な護国神社の境内
周辺には古墳も点在しています。

小さめの鳥居の横に「護国神社」の碑が立っているので、ここを登っていきましょう。しばらくするとまた同じような鳥居が出現します。

表参道途中の護国神社入口
注意しておかないと見落としそう。

登っている途中に本堂付近が望める場所も随所に出現するので、休憩しながらのんびりと目指しましょう。

階段途中の景観
全景を見渡せる貴重なスポット。

要石

歴史・神社・遺跡などが好きな方にはいちばん楽しめる場所ともいえそうなのがこの「要石(かなめいし)」で、かつて地震は大ナマズが引き起こすと考えられていた時代に、それを抑えるため差し込んだと言われています。

ここ香取には凸形、鹿島神宮には凹形の石が保存され祀られており、深さは3メートルほどで、水戸光圀が付き人に掘らせたものの、途中までしか見られなかったという逸話も残っています。

要石を取り囲んでいる防犯用のロープ
地震などの天災よけ祈願にも。

要石は人が集まるような場所ではないものの、定期的に訪れる参拝者も多く見られる重要スポットということもあり、随所に案内の看板が作られています。

要石の入口案内
御朱印は奥宮授与所に用意されています。

要石と奥宮はお隣同士ということもあり、セットでご紹介されているので、奥宮観光・参拝に行く前にここで説明を読んでおきましょう。

要石と奥宮の説明書き看板
要石のことがよく理解できる説明書き。

古くから信仰の場として保護されてきたこの付近には巨大樹木が数多く見られ、その形から亀甲山とも呼ばれています。この看板には付近に立っている樹木の種類などが載っているので、興味を持たれている方はこちらを一読してから見学するといいでしょう。

香取神宮の森説明書き
千葉県で天然記念物にも指定されています。

奥宮

本殿から離れた場所に、それも多少険しい道を通って辿り着くような場所に社殿が位置している奥宮ですが、香取神宮の中にあってとても重要な社殿で、本殿が経津主大神の和御魂を祀っているのに対峙した心願成就の「荒御魂」が祀られています。

表参道からの入口も設けられていますが(写真)、急勾配の坂道が続くので、楼門と総門の間から続いている「旧参道」から入るのがおすすです。

表参道からつづく奥宮への道
一見緩やかな道ですが、途中から急勾配になる表参道側。

桜みどころ

表参道〜総門

桜の景観でも有名な香取神宮ですが、なかでも見事なのは第一駐車場から総門へとつづく表参道と、総門の鳥居付近です。

表参道の桜風景
境内に入る前からテンションが上がる表参道。
大きな香取神宮の碑と大鳥居
赤い大鳥居が撮影映えする表参道入口。

表参道の途中に設けられた銅像は、よど号ハイジャック事件で多くの人の命を救った「身代わり新治郎」こと山村新治郎の像で、この周辺はかなり多くの桜が植えられています。

山村新治郎像と多数の桜
山村新治郎さんとご一緒に。
燈籠の周辺に植えられた桜
和の雰囲気が上がる燈籠と桜。

広い境内とその周辺にあって一際目を引くのがこの「総門」近辺の桜で、ただでさえ絵になる鳥居・彫刻に数種類の見事な桜が加わり、見事すぎる景観を作り出しています。

総門前の鳥居と桜
絶好の記念撮影スポット。

桜馬場周辺

その名前からも想像できるように、数々の桜が立ち並んでいる絶好のお花見目名所ですが、多少のベンチは設置されていますがシートを広げてのんびりするよりも「通り抜け」をして楽しむタイプとなっています。

桜馬場の看板とその風景
年季が入っている看板。

桜馬場の入口付近に建っている茶屋の屋上は出入りが自由なので、上からの景観を楽しみたい方におすすめです。

桜のアップと茶屋
茶屋をバックにする桜もなかなか。

茶屋の屋上から見た桜の馬場の景観はかなり見事で、SNSに出したくなるような写真をいろいろな角度から撮影できます。

桜の枝と馬場
ピントを上手に合わせれば…

馬場の中には鹿の小屋が設けられており、ボランティアのスタッフさん達が楽しみながら世話をしている様子などの写真が入口に掲示されていました。

鹿の小屋入口
馬場に住んでいる鹿さんたち。
入口に貼られたボランティアの方々の写真
ボランティアは随時募集しているようです。

護国神社内

桜の季節に訪れたら是非立ち寄っていただきたいのがこの「香取護国神社」で、緑の樹木の中に映えるピンク色の桜と歴史を感じる鳥居と境内が絶妙な雰囲気を醸し出しています。

護国神社入口の鳥居と桜
鉄板の撮影場所・鳥居前。
護国神社境内
訪れる方も多くないのでおすすめ。

売店・食堂

参道商店会

香取神宮参拝の楽しみのひとつはこの風流な茶店が立ち並ぶ「商店会」ではないでしょうか。お腹が空いている方はもちろん、ちょっと休憩したい方にも絶好の立ち寄りスポットです。

歓迎と書かれた商店会の入口ゲート
食べ歩きに絶好の環境です。

店天気の良い日はぜひ「和風テラス席」で茶菓子とお茶をいただきましょう。

表参道へと続く商店会の景観
ペットの通行も可能です。

お店で味わえるところてん・甘酒・バニラと抹茶アイスのセットメニューから草だんご・あまからセット・焼団子といった「厄除けだんご」など。定番のみたらしと黒みつきなこも美味しそうです。

団子を中心としたメニュー
目移りしてしまう和スイーツ。

食べ歩き派に嬉しいコロッケ単品とソフトクリームのテイクアウトは、帰り際に買って車で食べるのにも絶好です。

岩立のいもコロッケ売り場
注目のむらさき芋コロッケ!
和茶房・うの
落ち着いて室内でのんびりしたい派はこちら。

寒香亭

神社の中でくつろげる唯一の茶店がこちらの「寒香亭」さんで、屋上を無料開放しているのがとても良心的です。

桜のアップと寒香亭
お店でだんごを買って…。
屋上に設置されたベンチ
屋上の席で気持ちよく食べましょう。
寒香亭屋上から見える見事な桜
桜の季節は楽しみ倍増。

愛犬家のための情報〜

駐車場から参道・境内までワンちゃんが入れないのはお店・神社の施設の一部に限られているので、愛犬連れの方も気兼ねなく楽しむことができそうです。

愛犬とお散歩おすすめ度:5
★★★★★

神社内ということもあり自転車が通行していないので安全面も抜群で、自然が豊富な整備された道を気持ちよく歩くことができます。

散歩を楽しむ家族
家族もペットも大満足。

アクセス

駐車場

県道55号線沿いの「第1(100台)」と、県道253線沿い側の「第3(130台)」2つの駐車場がメインで、シーズン外はどちらも無料で利用できるのが魅力ですが、正月は大混雑となり競争率がかなり激しくなります。(年末年始の交通規制情報

近隣に有料駐車場も点在しているので、混雑期は最初にそちらを利用するのも手っ取り早くておすすめです。

第1駐車場に停めている車
普段は快適な第1駐車場。

電車・バス

JR「香取」駅から徒歩で30分ほどなので、歩くのが得意な方であればお散歩がてら行くのに最適ですが、そうでない方はJR「佐原」駅からのバスがおすすめです。(ルートはこちら

年末年始の交通規制がかかる時期にはシャトルバスが出ているので、電車の方はそちらを利用しましょう。(シャトルバス情報

香取神宮概要

所在地 香取1697-1(地図)
ご祭神 経津主大神(伊波比主命)
ご神徳 家内安全
産業(農業・商工業)指導
海上守護
心願成就
縁結
安産
勝運
交通安全
災難除け
など
授与所 本殿付近に複数・奥宮
駐車場 第1:100台ほど
第2:130台ほど
ともに無料
犬・ペット 入場可能
Googleのクチコミを見る

記事:取材班長・みどり

千葉県の人気寺院・神社といえば「成田山新勝寺」かこの「香取神宮」と言えそうですが、成田山はこちらより規模が大きいものの駐車場が1,000円近くかかってしまうのが残念なポイント。

この香取神宮は無料で230台ほど用意されているのが最大の嬉しい点で、ちょっとお散歩がてら立ち寄るのにも最高です。